『高瀬舟』といえば、安楽死がテーマの短編として有名です。
でも、読んでみて印象に残ったのは「足るを知る」というフレーズ。
最近の若者は貪欲さが無いとか言われますが、良くいえば「足るを知っている」のかなと思いました。社会が成熟して、便利が行き届いているから、ハングリーさがないってご意見も、的を射ているとは思います。ただ、肯定的にとらえれば、満たされた心で切磋琢磨できる時代が来ているのかもなあ、と。
それから『寒山拾得』。
個人的にこういうシュールなお話が好きです。森鴎外って、ユーモアのある方なんですね。高瀬舟の後に、この話を読むとギャップが面白かったです。
『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外,角川書店,
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